2009
2009.1.24
地域メディアプロデュース講座(第6回)
映画:熊澤 尚人 氏 「ニライカナイからの手紙」「Dive!!」映画監督
第6回は、映画「ニライカナイからの手紙」「DIVE!!」などを手掛けられました熊澤尚人監督による「映画制作現場からみた地域」講座。
熊澤監督は、多くの映画を地方で撮影されております。曰く、映画は出演者の言葉だけではなく景色や画面構成で、場面の感情を表現する。それ故に、撮影場所がどういった歴史やストーリーをもっているかが重要。それは、場面の空気感として確実に映像に現れます。熊澤監督の作品を拝見すると、風景映像を絡めながら、登場人物の感情を深く繊細に、かつ自然に表現されていることが感じ取られます。
地域×映画
では、そのロケ地をどのように見つけるのでしょうか。監督のもとには様々な地域のフィルムコミッションなどから撮影誘致の依頼が来るそうです。例えば「釣バカ日誌」など毎回ロケ地を変えて撮影上映し、地域のPRとしても活用されています。しかしながらフィルムコミッションも地域によって様々。
監督曰く、その良し悪しは映画というものがわかっているかどうか。
撮影現場は非常に過酷なもので、昼夜問わず分刻みのスケジュールで、撮影隊から出演者や地域のエキストラ、天候など様々な人や条件を常に調整しながら仕上げていきます。そのなかで、地域と撮影隊との間を調整する役割ができるか。
また、その人の「想い」も重要な要素であると言います。つまり、地域をただ宣伝するという「狙い」だけではなく、自分の地域を映画という作品として良いものを創っていきたいという「想い」があるかどうか。
それらを持っている地域で撮影をしたいと思うのは監督として当然のことでしょう。
映画化の先にあるもの
受講生からの提言も非常に鋭いものを頂きました。
地域プロデュースの観点から更に言うと、フィルムコミッションとして、単に映画化することだけを目標とせず、その次に何をするのかが重要であると思います。映画は認知として突出するメディアであると思いますが、認知の後に地域でのイベントや他メディアと連携して継続的にPRする仕組みづくりがないと意味を成しません。そういった意味ではフィルムコミッションにも地域をプロデュースするという役割をもたせて、映画業界だけでなく、経済性含めて多面的な観点から物事を提言する様々な人材が必要であると感じました。
感じさせる表現
熊澤監督は「ニライカナイからの手紙」での撮影場所に、沖縄の離島「竹富島」を選ばれました。そこには、島人同士の交流や、皆で助け合い生きていくという精神。それが今でも脈々と受け継がれているこの島に、監督が伝えたい「ストーリー」を表現できる「空気」があったからでした。
地域を映像で表現する手法としては様々ですが、現状の地域紹介映像を見る限りでは、非常に直接的な表現が多いように感じられます。つまり、景色を描写し、言いたいことを言葉で伝えるといったものが殆どです。それが必ずしも悪いわけでは決してないですが、地域の魅力をアピールする上では、「説明の表現」だけではなく「感じさせる表現」も重要なのではないかと思います。
地域の「伝えたいストーリー」を人々の「心」に、いかに届けるか。その手法として映画というものは大きなヒントを与えてくれるものであると感じました。そんなことを思いながら映画を観てみると、また違った面白みもでてきます。
今日は撮影中の多忙な中、お越し頂きありがとうございました。
次回作お・と・な・り「(2009年初夏、全国順次公開)」楽しみにしております!

詳しくはこちら








TOP